好きなだけゾクゾクさせてあげる。

 

Thrill

 

湿気を孕んだ空気が身体に纏わり付く午後三時。
周助の部屋はものの数分で快適な空間へと変わった。
奥から流れてくる涼しい風にホッと息をつく。

「気持ちいい〜!」
「今日は暑いからね。そうだ、アイスでも食べるかい?」
「うん、お願い。」

白いソフトクリームに舌鼓を打ちながら、火照った身体を冷ましていると、お店の名前に気がついた。

「あれ?このお店って…」
「うん。裕太行きつけの洋菓子屋さんのだよ。おいしいでしょ。」
「食べてよかったの?ここ、結構並ぶんじゃ…」
「そろそろ裕太が食べに、キッチンに行く時間かな。」

周助は平然とソフトクリームを食べ終わると、の横に座り直した。
その反動でベッドが少し揺れる。
は空になった洋菓子屋の箱を見つめていた。

「もう、これで最後?」
「部屋まで問い詰めにくるだろうね。」
「そういう意地悪する?裕太君可哀想。」

「僕が見てみたいのは別のことなんだけど。例えば、裕太が今からなくなったソフトクリームを食べただろって、この部屋に入ってきたときに、こうして…」

唇に残っているソフトクリームを舌で絡め取られると、思わず声が出た。

「あまり大きいと、聞こえちゃうよ?」

クスクスと意地悪く笑いながら、周助はの半袖シャツのボタンをスルスルと全て開け、ブラもとられてしまった。
思わず出てしまいそうになる声を隣の部屋の裕太君に聞かれまいとは口を押さえた。
すると、周助はその手を取り、自分の胸元へと押し当てた。
服の上から体温と鼓動が伝わってくる。

「ねぇ、いいだろ?」

の指にボタンが触れる。言いたいことはそれだけで理解できた。
周助の代わりにシャツのボタンを一つずつ外していくと、その下から覗いた胸筋に思わずドキリとした。
今の表情を見られたくない――はシャツをそのまま自分に引き寄せると、誤魔化すように周助にキスをした。

「ん…、本気だね。」

刹那、空気が一変した。どうやらスイッチを入れてしまったらしい。
覆い被さるように体勢を変えると、下着の上から秘部を執拗に攻めた。
状態が良くなると、息つく間もなく周助は自身を宛がいを持ち上げた。

「ひゃっ…ん、あぁ!」

座るような体勢になったことにより、全体重が一点に集中した。
は思わず周助にしがみついた。

「しゅぅ…んぁっ」

止まらぬ律動がたまらず、捕まる位置が移動する。その拍子に周助の脇腹に手がいった。

ゾクッ

「あ…っ」

不意に周助も声を洩らした。視線が交錯した、一瞬真顔になっている。
と思ったら、周助はの背中に触れた。

「だぁっ…!めって言ってた、せな…かっ」
「我慢…できないや」

深く深く、更に奥へ辿り着くと間もなく果てていった。




「え、ということは裕太君いないの!?」
「僕はいるって一言も言ってないよ。」
「…周助の馬鹿。」

クスクスと笑い続ける周助に恨めしい視線を送るであった。

(騙された!)

 

−Fin−

 

(2014/07/20)