「ほら、持ってきたぞ。」
そっちのけ
「ありがと、そっち置いといて。」
「あぁ、わかった。」
は棚の高いところにあった本を取ってくれるよう数冊ジャッカルに頼んでいた。
まとめて持ってきたジャッカルは、本を机の上に置くと一息ついた。
図書室は人が少なく、静けさに包まれていた。
「ったく、俺は面倒見が良すぎる。」
「…どうしたの急に!?」
腰に手をあてながら、ジャッカルが突然そんなことを言い出した。
これお願い、あれお願い、と頼めば、しょうがないなぁと言いつつもジャッカルは動いてくれる。
パシリといえば響きが悪いが、人が良いなと心底そう思う。
「なんていうかさ、ジャッカルって頼まれることはあっても、自分から頼まないよね。」
「そうか?」
「常に動いてる。」
「まぁ、嫌な奴に頼まれてもやらないけどな。性分かな。」
「好きな人の言うことなら何でも聞いちゃいそう。」
「なっ…!」
ジャッカルは少し焦った表情で反応した。ちょっぴりへんてこなポーズ付きで。
「ん、どうした?」
「何でもねぇよ。棚のでかい埃が付いてただけだ。」
「あんまり人が良すぎると、大事なときに気づいてもらえないからほどほどにね。」
「あぁ、そうだな…実感してる。」
聞こえない程度の大きさで呟くと、ジャッカルは深呼吸した。
(この様子だと、周りもそっちのけでにつきっきりなの、気づいてないだろうな…)
−Fin−
(2013/08/21)