「お邪魔しま〜す。」

 

秘密兵器

 

…何の縁で私は六角テニス部部室に入らないといけないの…?
これはそもそもゴ…じゃなかった、バネさんに押しつけられたのよね。
ドアを開けると驚いた。

(い…磯の香り…)

の次に部屋の汚さがLevel Maxだったのに頭がくらっとなった。



「なぁ、海いかねぇか?」
「はい?別に良いけど。」
「じゃぁ、今日の放課後、テニス部の部室まで来てくれ。中入ってていいから。」

そう誘っておいて遅いとはなんて奴だ!それよりなんで海?叫びにいくの?
しばらくすると、なにやら外でザワザワと騒ぐ声がしてきた。
ん?この声はもしや…

「お、きてるな、。」

バネさんだけじゃなく、いっぱいきた。
サエさん、ダビデ、剣太郎、いっちゃん、木更津。バネさんの近くにいるとよく出会うメンツ。
もしかしてこのメンバーの中に混じれと?

「え、さんがマネージャーになるのかい?」

は…?待てサエさん。私そんなの聞いてないよ。

「じゃぁ、今日はみんなで掃除をしようよ。」
「マネージャーとは…でかしたバネさん!」

剣太郎もダビデも勘違いしてません?
私は海に…欺された!?

「私もやるの?」

当然、と満場一致の声が返ってきた。



(絶対、後でバネさん懲らしめてやる。)

いす一つ動かしただけでホコリがどさっと落ちるなんて。
これは掃くのがいいの?
いっそのこと建て直した方が良いのでは?
と思いながらは優勝カップらしきものを持ち上げた。

−カサッ−

「へ?」

今、何か音したよね…カサって…
もしかしてバネさん一族では?!
優勝カップは自分の目線より少し上に置いてあったので、いすの上に立って改めて棚を見た。
いた。

「ギャー!」

あまりに驚いて優勝カップを放り出してしまった。
あ、サエさんナイスキャッチ。

さん、どうかしたかい?」

どうもこうもないよ!
あのテカテカの既確認飛行可能物体が…!
NFO(ヌーフォー)ですよ、Noticed Flying Object!
筆舌に尽くしがたいものナンバーワン!

「うわっ…これはかなり数が多いね。」
「ホントだな。」

ホントだなって…あなたの祖父母や両親、兄弟姉妹、おじおば甥っ子姪っ子じゃないんですか?
対応しきれない圧倒的多さのため、私とサエさんはバ○○ンを部費で購入しに行きました。
使用後はバネさんの血縁者の変わり果てた姿がゴロゴロ。
掃除はもうしたくありません。
それと、マネージャーは他の人にお譲りいたします。
誰か欺されて!そして早く私と変わって!!

 

−Fin−

 

(2007/11/22)

それいけバネさんシリーズ