どちらかというと、俺のタイプじゃない。
雲に梯
だって、食べ物全然くれねーし。
先日、たまにはお菓子くれよって冗談交じりにねだったら、「小欲知足」と返してきた。
部屋に置いてあった真田から受け取った書をたまたま見てたからだけど…
けど、面倒見がいいのは目の前の現状を眺めていても、認めるしかない。
弟達も普段からの引っ張り合いっこして遊んでいる。
「わかったって、次は人生ゲームね。」
「やったー!」
「おい、あんまり困らせるなよ。」
走り回る弟達を部屋に留めてくれている間に、ブン太はジャッカルに食べさせる為の誕生日ケーキ作りに勤しむ。
ふとブン太は思った。この状況、家族みたいじゃないか?
特段意識もしていなかった思いつきに、泡立て器で混ぜている手を止めた。
「。」
「んー?今ね、台風に吹き飛ばされて忙しい。」
「付き合わないか?」
「はい?」
「あ、いや…なんでもねぇ…」
「私は高いよ?」
顔色をあまり変えずに人生ゲームの駒を進めるはいつものトーンで話を続けた。
「それでもいいなら、いいけど。」
「高いって、どういう意味だよ。」
「おしゃれもしたいし、一緒にお出かけもしたいし、可愛い物も欲しい。楽しいこともしたいし、こうやって面倒みたりもしたい。それでもいいなら。」
駒を止めたはこちらを向いた。
キッチンから足早にリビングに向かうと、ブン太はヒトの棒をひとつ取り、の車に刺した。
「ちょっと、まだマス通ってないんだけど!」
「隣には俺しか乗らせないだろぃ。」
「にぃちゃん、ずるいー」
「ボクも乗るー!」
スタート間もないの駒は、早くも乗車数が半分以上を占めていた。
−Fin−
(2017/02/08)