絶対わかってしまう。

 

コの頃から

 

何をやってもわかってしまう。なぜだ?

「遊びすぎです!仁王君!」

と、柳生に化けても

「何やってんの?仁王。」

と、声をかけてくる奴が居る。
はっきり言って、営業妨害じゃ!せっかく頑張って詐欺師家業やってるのに!
毎度毎度には腹が立つ。

「おい!!いくら変装わかるからって、やってる最中にばらすのはヤメロ!」
「そんな変装だれだってわかるでしょ。」
「分かるわけなか。お前さんはただ、ガキの頃からずっと見てきたから分かるだけで…」
「わかる人もいるの!」
「あーあー、そうか、そうか。」

こういう風な喧嘩は日常茶飯事だ。だからいつも試合が近づくと…
今度の試合には連れて行かないつもりだ。といっても必ずついてくるが。

「ふ〜んだ!」

といって、はテニスコートのフェンスから離れていった。
何故か今日はやけに怒っていた。何故だろう?
練習が終わり、俺は柳生とも帰らずに一人で帰っていた。
胸騒ぎがする。ふと、前方にが見えた。

「おい!、こんなところで何して…?」
(なん…?の周りの変な奴らは。野郎ばっかりおるのぉ。)

は嫌がっているようだった。そのとき、仁王は何かを思いついた。

「離して下さい!」
「いいじゃん、いいじゃん!」

仁王曰く、とその野郎共はギャーギャーと言い合っている。
それもすぐに収まることとなった。

「君たち!何をして居る!」
「わ、サツや!逃げろ!」

なんと、運良く通りがかった警察の人がの元へ来たのである。でも、にはわかっていた。

「仁王、結構似合うじゃない。それ。ていうか、どっから持ってきたの…?」
「とりあえず助かったら礼ぐらい言えよ。」
「ありがと。」

この一件があって以来、は一応試合中には詐欺師を詐欺師のままにしておくことを認めたそうだ。

 

−Fin−