私は月
君という太陽の光を反射して輝いている
もし君がいなくなってしまったら私は昼間出る月のように輝きを失ってしまうだろう
私は月 君は太陽
だから私は君に引かれるのかもしれない
どんなに追いかけても絶対に月はその輝きを手に入れることはできないから
だから時々不安になる君にとって私とは何なのか
太陽にとって月とは何なのだろうか
他とかわらないただのちっぽけなひとつの星なのだろうか…?

 

月の光

 

桜が咲き乱れる校庭
その片隅に今日のために仮設された掲示板がある。
そこにはクラスごとに名前が書いてある紙が何枚か張ってある。
そう、今日は春休みの開けた始業式。
登校してきた皆が最初にここに立ち寄るためずいぶんと人だかりができている。
その中の一人が私、である。余談だが私は男子テニス部のマネージャーなのだ。
私は自分の名前を3年1組から順に探していった。
あったのは6組だった。
そのクラスのメンバーを見て私は驚きのあまり口が半開きになっていることに気づかなかった。

、あんたなんて顔してんの?」

と声をかけてきてくれたのは親友で同じ男子テニス部マネージャーのだった。
私はその声を聞いてやっと口を閉じた。
そして掲示板の6組のところを指差した。
は何なのかわからんといった顔でそこに目をやってわかったという顔つきにかわった。

「ああ。私の名前と…!!あんたやったね〜菊まウグッ…」

が叫んだのをぎりぎりで手でシャットダウンして私は人ごみの外へとを引っ張り出した。
そして手を離してやった。

「すまんすまん。ついつい叫んじゃった。」
「ほんとに。あぶないじゃんか〜〜も〜〜。」

私は、腰に手を当てて頬を膨らませて怒った。
だが、その仕草をわらしながらは答えた。

「あはははは、でもほんとによかったねまた菊丸とおんなじクラスでさ。」
「うん!ほんと奇跡だ〜〜3年連続でおんなじクラスなんてさ。」

そう。菊丸英二は1,2年も同じクラスで私の好きな人なのだ。

「まあ私もまたみたいだ。」
「そうだね〜。この3人ずっといっしょのクラスだったね〜!」

私はもうすっごい満面の笑みだっただろう。
だがある人物の名前を私が見落としていたことによって新学期早々この笑みが少し崩れるようことがあろうとは。
私はまだ知らなかった。


6組の教室へと行き2人は適当な席に座った。
いるのはまだ少数で教室は掲示板の近くとは違ってとてもがらんとしていた。
私とはたわいない話をしていたが、突然教室の外の廊下から叫び声が聞こえてきた。
その声の主が誰なのか大体予想のついた私たちは目を見合わせて教室の扉のあたりを見ていると、猛スピードで教室へと入ってきた影があった。
その影のあと、さっきの影よりも比較的ゆったりとした速さで走ってきた人物がいた。
その人物は影の制服の襟首を捕まえた。
その様子を見ていた私たちはあまりに想像していたことと同じだったために吹き出しそうになるのを必死にこらえた。
その影の正体は青い顔をした菊丸英二ともう一人の正体黒い笑みを浮かべた不二周助が向き合って立っている光景だった。
さっきよりもずいぶんと増えた新しいクラスメイトたちはその場から引きいやな沈黙が守られていた。
私とも少々伏せ目気味で笑いをこらえていた。
廊下からの声が騒がしく聞こえるのはやはりこの教室が異常に静かだからだろう。
少しの間二人が何か話しているようだったがそれは、不二の美しい笑みで幕を閉じた。
そのときだけ、教室の温度が5度下がったそうな。
そして、2人の空気が緩んでいくと同時にまたこの教室にも騒がしさが戻ってきた。
それを見計らって私とは2人のもとへ行った。

「あんたたち、新学期の初日から何やってんの?」

と、私が言うと二人とも振り返った。
「おはよう、。」と、不二がいきなり白くなり返事をしたために少しどっきとしたが何もよないうだった。
そのとき、菊丸は少しボーっとしていたのだが、何かの拍子に目がさめた。
そして、涙目で私を見た。

〜〜〜〜。不二が〜〜〜〜」

といいながら抱きつこうとしたがそれは不二のパンチが腹に入ったことによって抑えられたのだった。

「不二………あんたもかわいそうなことするな〜〜。」

と呆れ顔で言うと、慌てふためく私を無視した不二を菊丸はお腹をおさえてよろめきながらひとにらみし起き上がった。

「不二………ひどいにゃ〜〜〜。」
「英二、に抱きついこうなんて100年早いよ。」

そのときの不二の笑顔はまるで刺さるような冷たい笑顔でしたとさ。

「ところで不二も6組?」

っと私はどうにか本題に入ることができた。
不二は怯えている菊丸を軽く無視して私のほうを見た。

「そうだよ。クラス発表のやつで気がつかなかった?」
「ごめん。わかんなかったわ。」
「ってことはテニス部男子で6組は不二と菊丸だけか?」

が聞きながら教室を見回したがそれらしき人物は見当たらない。

「そうだよ。今年1年よろしく。」
「こちらこそ!」
「よろしく。」
「……ところで菊丸?大丈夫?」

っとしゃがみこんで顔を覗き込んでみる。

「菊丸しっかりしろ〜〜〜!」

と言うと私にやっと気づいたのか焦点が合ったようだった。
〜〜ヨロシクにゃ〜〜」とやっと正気に戻った。

「またよろしく〜。」
もヨロシクにゃ。」
「あぁよろしく。」

っとひととおりの挨拶が済んだところで先生が来たのでみんな席についた。
それからは新学期らしい初々しい一日が始りました。

 

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