「では、私のどういった部分に惹かれたんです?」
「どこって聞かれても…そうだなぁ…」

 

full of mischief

 

ある昼下がり、珍しく向こうから声をかけてきたということもあって、仁王は臨時の相談係になっていた。

「で、はなんていった?」
「それが…茶目っ気、らしいのです。」
「ほぅ…」
「よくわかりませんが、自分はそんな風に振る舞っているつもりはありません。もしかして、彼女は私ではなく私に扮した仁王君に惹かれたのではないかと不安になりまして…」

柳生は首をかしげている。
ここまでくると柳生の普段から鍛えられている推理能力は相当なものだ。

「仁王君、心当たりはありませんか?」
「お前さん、人を疑うたぁ、紳士失格やの。」
「!…そ、そんなつもりは!」

今の表情でピンときた。

「あー…わかるかもしれん。」
「どうしたんです?」
「いや、なんでもなか。」

仁王は何か含んだ笑いで柳生をジッとみた。

(これで2ヶ月は遊べるぜよ)

柳生の疑問はしばらく解決されないこととなった。

 

−Fin−

 

(2008/09/25)