別につき合ってるワケではないんですよ。
erotic younger man
なのに、この親父みたいな中学生は知らない間に迫ってくる。
今日はまだ何も起こって…
「きゃぁ!」
「そない驚かんでも。はええ反応するなぁ。」
そうだ。忍足は行動が予測不能だということを忘れていた。
「どこ触ってるの!」
「足。」
「変態!」
「ええやん、減るもんとちゃうねんから。」
と言っていつの間にか抱きつかれている。重い。くっつくな。離れろ。
「バカ」
は紅葉をほっぺに打ち込んだ。
*
「エロ親父。」
「そんな服着てるからあかんねん。」
いやいや、これ制服だから。標準服なんだから。
こんなやつはちゃっちゃと無視するのが一番なのです。
「触ってくださいって言うてるようなもんやないか。」
「世間一般の解釈とはかけ離れてるって!制服ってのは学校生活において動きやすいように作られているの。」
「そうやなぁ…男子もそういった面やと、動きやすいように作られてんねんなぁ…」
…何かがおかしい。何の動きのこと?
無駄な天然ぶりをここで発揮していると、忍足の手がビョッとのびてきた。これのことか!
「胸を触るなぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あんま大きな「うるさーい!」い…」
油断も隙もあったもんじゃない。
ときどき、忍足の将来が心配になってくるときがあるくらいの変質者である。
この状況を影から面白そうに見ている奴がいた。
「あ、跡部!ちょっとこのエロ親父をどうにかしてー。」
「言うとくけどまだ俺は14歳やから親父ちゃうで。」
「どこが。考えてることも行動も全っっっ部そうでしょ!」
「…お前ら、暇な奴らだな。」
跡部は、の顔を見て、下にザーッと見ていったかと思うと、また顔を見た。
「そんなに忍足を止めたいんなら…」
−逃げる暇はなかった−
「こうしたら暫く止まるだろうよ。」
「今…何を…」
「じゃぁな、二人で仲良くやってろ。」
「…ちょっと待ちいや。」
忍足の眼鏡がギラリと光った。
体感温度が5度下がるようなオーラがにじみ出ていて、いつもとは雰囲気がまるで違った。
「足が綺麗で実は寂しがり屋・マイハニーのずーっと楽しみにとっておいたファーストキスを奪っといてそのまま逃がさへんで?」
「なっ!?お前が俺を捕まえられると思ってるのか?」
その言葉に答えるように、忍足の目が本気モードにチェンジした。
「俺の1,001番目の技、喰ろうとき…はぁぁぁぁぁぁ!」
「うわっ、マジでやるつもりか!?」
跡部は迫り来る忍足を見て…引いた。
身の危険を感じた跡部は「樺地ー!」と大声で叫びながらダッシュで逃げていった。
その後を、理性のかけらもなくなった忍足が追いかける。まるで地獄絵図にでも出てきそうな表情だった。
「私どうすればいいのよ。」
エロ親父が帰ってくるかもしれない。その前に私は…
「早く帰ろっと。」
「待ち…待ちや跡部…今日だけは許さへんで…」
【おい樺地。ここから忍足の方へ行け。】
【命は…惜しいです。】
【俺様の身代わりになれ!】
【…もう、従えません】
【…!】
気がつくと、隠れていた場所をのぞき込む忍足がいた。
「ぎゃああああ出たあああああああ!」
「お二人さん、こんなところにおったんか…覚悟せぇ。」
今日のこいつはひと味違う。
−Fin−
(2007/11/21)