別につき合ってるワケではないんですよ。

 

erotic younger man

 

なのに、この親父みたいな中学生は知らない間に迫ってくる。
今日はまだ何も起こって…

「きゃぁ!」
「そない驚かんでも。はええ反応するなぁ。」

そうだ。忍足は行動が予測不能だということを忘れていた。

「どこ触ってるの!」
「足。」
「変態!」
「ええやん、減るもんとちゃうねんから。」

と言っていつの間にか抱きつかれている。重い。くっつくな。離れろ。

「バカ」

は紅葉をほっぺに打ち込んだ。



「エロ親父。」
「そんな服着てるからあかんねん。」

いやいや、これ制服だから。標準服なんだから。
こんなやつはちゃっちゃと無視するのが一番なのです。

「触ってくださいって言うてるようなもんやないか。」
「世間一般の解釈とはかけ離れてるって!制服ってのは学校生活において動きやすいように作られているの。」
「そうやなぁ…男子もそういった面やと、動きやすいように作られてんねんなぁ…」

…何かがおかしい。何の動きのこと?
無駄な天然ぶりをここで発揮していると、忍足の手がビョッとのびてきた。これのことか!

「胸を触るなぁぁぁぁぁぁぁ!」
「あんま大きな「うるさーい!」い…」

油断も隙もあったもんじゃない。
ときどき、忍足の将来が心配になってくるときがあるくらいの変質者である。
この状況を影から面白そうに見ている奴がいた。

「あ、跡部!ちょっとこのエロ親父をどうにかしてー。」
「言うとくけどまだ俺は14歳やから親父ちゃうで。」
「どこが。考えてることも行動も全っっっ部そうでしょ!」
「…お前ら、暇な奴らだな。」

跡部は、の顔を見て、下にザーッと見ていったかと思うと、また顔を見た。

「そんなに忍足を止めたいんなら…」

−逃げる暇はなかった−

「こうしたら暫く止まるだろうよ。」
「今…何を…」
「じゃぁな、二人で仲良くやってろ。」
「…ちょっと待ちいや。」

忍足の眼鏡がギラリと光った。
体感温度が5度下がるようなオーラがにじみ出ていて、いつもとは雰囲気がまるで違った。

「足が綺麗で実は寂しがり屋・マイハニーのずーっと楽しみにとっておいたファーストキスを奪っといてそのまま逃がさへんで?」
「なっ!?お前が俺を捕まえられると思ってるのか?」

その言葉に答えるように、忍足の目が本気モードにチェンジした。

「俺の1,001番目の技、喰ろうとき…はぁぁぁぁぁぁ!」
「うわっ、マジでやるつもりか!?」

跡部は迫り来る忍足を見て…引いた。
身の危険を感じた跡部は「樺地ー!」と大声で叫びながらダッシュで逃げていった。
その後を、理性のかけらもなくなった忍足が追いかける。まるで地獄絵図にでも出てきそうな表情だった。

「私どうすればいいのよ。」

エロ親父が帰ってくるかもしれない。その前に私は…

「早く帰ろっと。」
「待ち…待ちや跡部…今日だけは許さへんで…」
【おい樺地。ここから忍足の方へ行け。】
【命は…惜しいです。】
【俺様の身代わりになれ!】
【…もう、従えません】
【…!】

気がつくと、隠れていた場所をのぞき込む忍足がいた。

「ぎゃああああ出たあああああああ!」
「お二人さん、こんなところにおったんか…覚悟せぇ。」

今日のこいつはひと味違う。

 

−Fin−

 

(2007/11/21)