彼女にも、もう少しでれでれしてよ。

 

でれ助

 

皆さん!天は彼に三物も四物も与えましたが、一つだけ与えてくれませんでした。
それは真剣さです。
確かに彼は天才と呼ばれ、キャーキャー騒がれますが、今から言うことは特筆に値すると思います。
彼女だけに集中しない。デートと言いつつその他大勢を連れてくる。彼女がせっかくお洒落してても気にとめない、等々。
皆さん、私はここで宣言します。
不二周助に対するイメージはすべて排除してください!
彼は「優しそう」とか、「かっこいい」とか言う言葉でくくってしまってはいけない人物です。
みててください。今証明して見せます。では後ほど学校にて。



「周助!」
「どうしたの?」
「この後デート行かない?」
「今日は…ごめん!」

あれ、断られちゃった。予想外。
これは初めてだ。デートだけは絶対断らない人なのに!そこまでいったのか!
何かあったかなー。テニス部の用事は無いはず…。
と考えていたら、周助は他の女の子に話しかけていた。
聞こえてくる単語が…予定、遊び、一緒に…ってどういうこと?私を差し置いて行っちゃうの?

「おーい、。今日遊びに行こうぜ。」
「あぁ、平田君。いいよ。」

周助に怒る気もしなくて、他の男友達数人と遊びに行く約束をした。
この際、私もそうしてやる。





「あー、楽しかった。また誘って!」
「おう。」
「じゃーな。」

遊びも終わり、同じ方向に帰る平田君と一緒に駅まで帰ることにした。


「なぁ、。お前、不二と付き合ってるのか?」
「ええと、一応。」

あまり親しくもなくなっているし、だからといって違うと言えば、嘘になる。

「俺と付き合っちゃえば?」
「…え?」
「不二とあまりうまくいってないんだろ?」
「え…でも…」

そこへ彼は現れた。

「もういいよ、平田。帰ってもいいよ。」
「…ったく早すぎるぜ。もっと後で出てこいよ。今から本気で告ろうと…」
「帰ってくれるかな?」

は状況が把握できていない。ただ、周助がちょっぴり黒くなっていた。

「ごめんね、。ちょっと平田に頼んで、僕に嫉妬したら他の男の子に寄るのかな?と思ってさ。」
「わ、私がもし今OKしてたらどうしたの。」
「うーん。必死で取り返すかな。」
「なんでこんなことしたの?」
「え?僕の嫉妬。」
「しっ…と?」
「だって、いつも男の友達としか遊ばないからさ。女の子と遊んでるの見たことないもん。
たまには僕の気にもなってほしくて、にも嫉妬してもらったんだよ。」
「ばか。でれ助。」
「ごめんね。」

さきほど宣言したことは取り消したいと思います。
周助がそんなにつらいなんて全然思わなかったから。

「もう、男友達とは遊ばないから。ね?」

 

−Fin−

 

(2006/08/26)