もしかしたら

 

あしたから晴れ

 

ちょっと前から自分に嫌気がさしていたのかもしれない。
でもダビデのダジャレにはつい笑わされてしまう。
そんなことが私を長居させてしまった…このお手伝いという場所。
もう少しとどまりたいと思った。でも私は彼にとって邪魔者だ。
そんなことない、そんなことないはずがない。
人の気持ちは正直で、そのままずるずる長引いた。そろそろ潮時。
そう思った日から私は「家の用事が忙しいから。」と言って、ダビデやテニス部を避けるようにした。
でも彼は許さなかった。

、昨日海に行っただろ。」
「ううん。おうち。」
の鞄に砂がついていた。」
「学校の砂かも…「俺も海へ行った」」
「うそ…」

の単純な嘘は見破られていた。

「どうして俺を避ける。」
「別にダビデを避けてる訳じゃないよ。」
「お手伝いが一人の人に贔屓しちゃいけない。でもそうしてるような気がするから…。」
「…泣くな。なぜ泣く?」
「泣いてない。」

そうは言うものの、座り込んで顔を伏せた。バレすぎだ。
あまりにも自分のかっこ悪くて、顔なんてあげられない。

が手伝ってくれることにみんな感謝してる。だから…明日は来てほしい。待ってる。」

ダビデは部活に戻っていく。

「お前がいないと俺も寂しいし、やる気も出ないから、来いよ。」
「…明日は多分行く!」

立ち上がって大声で叫んだら、ダビデの表情が穏やかになった。

「おう!」

 

−Fin−

 

(2006/10/06)