動物病院から葉書が来ていた。
CATS!CATS!CATS!
どうやら定期検診の月らしい。時間が空いたから、今から連れて行かないといけない。
我が家の可愛いにゃんこ。
「おいでおいで〜。」
が呼びかけると、にゃんこはすぐに振り向いて足元にすり寄ってきた。
抱え上げると、些かずっしりと腕に重さが伝わってくる。少し太った?
運動はしているはずなのに、いつの間にかおデブになっていたらしい。
「ほら。病院行こうね。」
「にゃー」
にゃんこはやる気のない返事をした。
*
診察待ちをしていると、診察室から患者さんのご家族が外に出てきた。
ご家族の顔を見て、は絶句した。
「えっ…!」
「おぉっ、じゃん。」
「菊丸君もここ来るの!?」
隠れ家みたいな病院だから、知り合いは誰も来ないと思ってたのに、
ここで遭遇してしまうとは予想外だ。
「オウム飼ってるんだね。」
「そうなんだよー。風邪引いちゃったみたいでさ。はずいぶん大きい猫だね。」
「え、そ、そんなに大きい?太りすぎたかな…」
「なんて名前?」
「えっと…」
にゃんこの名前を聞かれて、は口ごもった。
菊丸はにゃんこをじゃらしながら、笑顔で返答を待っている。
「え、なになに、変な名前?」
「そういうわけじゃないけど…とっても良い名前。」
「ふーん。」
そうこうしている間に、受付の人がこちらにチラリと目配せした。
にゃんこの診察の順番がまわってきたようだ。
「診察してくるね。」
「またねー!」
『えいじ君、中へどうぞ。』
「えぇ、俺!?」
菊丸が名前を呼んだ方を向く頃には、既にの姿は診察室へと消えていた。
−Fin−
(2012/07/14)