ベッドに仰向けになって目を閉じている。

 

To The Shirt

 

あらら?
普段なら忙しそうにパソコンの前に張り付いて、お国のためにせっせと仕事に励んでいる姿がそこにはある。
レオンは両手を頭の後ろへやり、布団も掛けずにスースーと寝息を立てていた。
小休憩のつもりが、いつの間にか眠り込んでしまったのかしら。

「寝顔…可愛いすぎる。」

皺になりそうなくらいの難しい表情が崩れて、何とも気の抜けた顔。
思わず食べてしまいたくなる。いっそのこと、留めずに食べてしまおうか。
レオンの元までベッドを這うと、青いシャツから覗く肌が目下に広がる。
は抱きつくように頬をくっつけてみた。
シャツから間接的にレオンの体温がじわじわと伝わってくる。

「…んっ?、どうかしたか?」

至福の時をこっそり過ごそうとした企みが惜しくも崩れた。
構わず続行してしまおう。

「別に…掛け布団の代わり。」
「ほーぅ。随分暖かいな。」
「新製品ですので。」
「俺には小さいみたいだが?」

返答に困ったは暫く考えると、レオンの唇に食いついた。

「頭のてっぺんからつま先までカバーします。」
「顧客をよく考えてる商品だな。気に入った。」
「気の済むまでお供しますとも。」

 

−Fin−

 

(2012/10/08)

タイトル全文は”He is stripped to the shirt.” です。けしからん。