ホワイトハウスから久々に我が家へ帰ると、が見知らぬ男とイチャイチャしていた。
疑似恋愛
「レオン、タイミング悪すぎ。」
「お帰りのハグもなしか…」
「今良いところだからもう少し待って!」
コントローラーを握りしめたまま、はテレビ画面に映る男と見つめ合っていた。
確かにイケメンばかり集まっているが…俺の方がかっこいいだろ。
「きゃっ」「恥ずかしい」「照れる」などと小さな悲鳴を上げながら、2Dのイケメンと仲を深めていた。
気安くの名前まで呼んで…この男は俺とやりあう気か?
ふとの横に置かれていたゲームのパッケージが目に入った。
吹き出しそうになるゲームのタイトルに攻略できるイケメンの数々…
対象年齢に目をやると、レオンは絶句した。
「E…?」
ひゃっ、という声がすぐ隣から聴こえた。
テレビ画面を見ると、先程の男がに襲いかかっていた。
「!」
「きゃぁっ!」
レオンはとっさにに覆いかぶさった。
コントローラーが床にゴロゴロと音を立てて転がった。
「ちょっと!ここから一番の山場なのに、何で邪魔するのよ!」
「が他の男に寝取られる所なんて見たくない、たとえそれがゲームでもだ!」
「…もしかして、妬いてる?」
「あぁ。すぐにでも画面を殴りたい。」
「私、このゲームやりたいんだけど。」
「吹き替えでも何でもしてやるから…俺の相手もしてくれ。」
「レオン…」
は忘れていたおかえりのハグをした。
「私が悪かったわ。」
*
「で、男は一体何人いるんだ?」
「30人。」
「泣けるぜ…」
−Fin−
(2011/05/12)
レオンは仕事から、ヒロインは2次元からおかえりです。