こんなに嫉妬したのは初めてだ。
こども特権
たかだか子供だ。しかも俺の子だ。
こんなに振り回されてたまるか!
「ぐほっ…!」
レオンの顔面にやわらかい足がヒットした。
ジュニアがに抱きついたまま、器用に蹴りを入れたようだ。
「ジュニア、お父さんをいじめちゃ駄目よ。」
「ヤダ。ママは僕のだもん。」
「そろそろパパにを返してくれないか?」
「私はモノじゃないわ、レオン。」
「ママ、僕がパパから守ってあげる!」
ジュニアはの首に手を回すと、ほっぺにチューをした。
「ジュニアはいい子ね。」
「だって、大人になったらスーパーマンになるもん!ジュニアはいい子だよ。」
「パパはどう思う?」
「僕が倒すから安心して、ママ。」
レオンをチラッと横目で見ると、子供のように不貞腐れている。
なんとも大人げない。
へそを曲げて、くるっと後ろを向いてしまった。
「…しょうがない人。」
「ねぇ、ママ。友達に妹ができたんだ。僕も妹ほしいなぁ〜。」
「妹かぁ…じゃぁ、パパにもお願いしないといけないね。」
「ほら、いい加減を返せ!妹つくってやるから!」
レオンは嫌がるジュニアを無理やり抱きあげた。
ぶらぶらと宙を歩くジュニアの足が、またしてもレオンを襲う。
「ぐっ…!俺は負け…ない…」
鳩尾を抱え込んだ状態で、レオンは床に伏した。
「あら、パパ倒れちゃったわ。ジュニアはスーパーマンね。」
「大好き、ママ!」
−Fin−
(2011/06/30)
子供の名前を考えるのが面倒だったので、ジュニアにしました。幼稚園児くらいをイメージ。